放射線治療科

放射線治療科のご案内

特色・対象疾患・診療実績

 放射線治療部門は2018年3月に新治療棟が完成し、治療装置も最新型のものを導入しました。新しいリニアックはIGRT(画像誘導放射線治療)で全例の照射を行っております。IGRT は患者さんが治療台に乗ってからX 線撮影またはCT 撮影を行い照射部位の確認と補正を行うものです。これにより、病巣への正確な照射と周辺正常組織への照射量低減が可能となりました。更により集中性を高めたIMRT(強度変調放射線治療)を2019年2月より前立腺がんに対して開始し、頭頸部から肺、骨盤領域にも応用を広げています。
 また、2019年3月に密封小線源治療装置も更新し全ての放射線治療が治療棟内で行えるようになりました。新しい装置では線源がコバルトからイリジウムになり、より小さな用具になりましたので患者さんへの負担も軽くなりました。さらに治療計画も従来のA点線量法からCT 画像を用いるIGBT(画像誘導小線源治療)になり、より適切な線量分布が得られるようになりました。
 令和3年度の疾患別患者数は、泌尿器科領域77名、乳がん72名、肺・縦隔27名、頭頸部22名、肝胆膵17名、婦人科領域16名、白血病・リンパ腫・骨髄腫13名、胃・食道13名、脳腫瘍8名、大腸7名、その他・原発不明5名でした。また、IMRTは70名、小線源治療は12名に施行しました。
 年齢別にみますと80代が48名、90歳以上も14名あり、最高齢は100歳でした。高齢化社会の状況を反映するとともに身体的負担の比較的少ないと言われる放射線治療の特色が出ていると思われます。また、骨転移の疼痛緩和目的に8Gy1回照射を行っております。外来で1日で完了できます。
 さらに、通常の放射線治療以外にラジオアイソトープを用いた放射性同位元素内用療法もあります。当院では、骨転移を伴う去勢抵抗性前立腺癌患者の延命を目的としたRa-223治療、甲状腺分化癌患者の甲状腺全摘後I-131アブレーション、バセドウ病患者に対するI-131治療を行っております。適応となる患者さんがありましたら選択肢の一つとしてご検討ください。

 

年度あたりの治療患者数(新患)の推移

平成6〜15年度

平成16〜20年度

平成21〜25年度

平成26〜30年度

平成31〜令和3年度

149名

238名

301名

269名

282名

 

担当医師のご紹介

  • 武井 一喜 タケイ カズヨシ
    役職
    診療技幹
    放射線治療科部長
    卒業年
    昭和60年
    専門領域
    放射線治療
    専門医等
    日本医学放射線学会専門医
    日本放射線腫瘍学会認定医
    所属学会
    日本医学放射線学会
    日本放射線腫瘍学会
    日本乳癌学会
    日本頭頚部癌学会
    日本癌治療学会 他
    一言
    ひとりひとりの患者さんに適切な放射線治療の提供を心がけております。