臨床工学科

基本理念/方針

基本理念
私たちは適正な医療機器の管理と運用を行い、患者さんから信頼される医療を目指します

基本方針
1. 私たちは医療機器に係わるすべての人が、安心して使用できる機器を提供します
2. 私たちは患者さん中心の医療を実践するために、多職種と緊密に連携します
3. 私たちは地域の中核を担う病院として、根拠に基づいた治療を実践します
4. 私たちは常に向上心を持ち、時代の変化に合わせた知識や技術の習得に努めます
5. 私たちは医療水準の向上のために建設的な意見を述べます
6. 私たちは経済的で効率的な医療機器の運用を提案し実行します

業務の内容と特徴

院内には様々な高度医療機器が配置されており、臨床工学技士は医学と工学の知識や技術を活かして、これらの機器の操作・保守管理を行い、多くの分野で活躍しています。現在、臨床工学技士は15 名が在籍をしており、教育ラダーに基づき段階的に業務の習得を行っています。
近年では、タスク・シフト/シェア(医師への業務集中を緩和・回避するために他職種へ業務の移管や共同化すること)や、医療分野のDX(デジタル技術を活用して業務を変革し医療の質の向上を図るための課題解決の取り組み)等、将来を見据え可能な範囲で実施しています。
また、部門担当を定め、より専門性の高い業務を行えるような体制とし、主に次のような分野で業務を行っています。

  •  血液浄化業務
  •  手術室業務
  •  血管撮影室業務
  • 救急・ICU・高気圧酸素治療業務
  • 病棟・外来・在宅医療機器・遠隔モニタリング業務
  • 医療機器管理業務

臨床業務や医療機器保守点検業務以外にも、院内の各種委員会への所属や、⾧野県臨床工学技士会理事、⾧野県DMAT 隊員、BLS・ICLSインストラクター等の対外活動も行っています。また、日勤勤務を365 日実施しており、夜間はオンコール(待機勤務)とし、24 時間体制で緊急時の対応をしています。また認定資格等の取得も積極的に行うようにしています。

血液浄化業務

手術目的での来院患者、新規導入患者、救急搬送患者に対する血液浄化療法を行うことが多いのが特徴です。また、地域がん診療連携拠点病院ということもあり、腹水ろ過濃縮再静注法も多く実施しています。

  • HD
  • on-lineHDF
  • CHDF
  • PMX
  • CART(腹水ろ過濃縮再静注法)
  • PE、PP

  

 

手術室業務

手術室で使用される医療機器は数多く存在し、操作や保守点検を行っています。機器の更新や新規導入のタイミングで携わる機器や業務も年々増加してきています。また、タスク・シフト/シェア(※)についても求められる分野でもあり、可能な限り取り組んでいます。

  • 人工心肺装置
  • 自己血回収装置
  • 腹腔鏡装置
  • ナビゲーション装置
  • 神経刺激モニタ
  • ラジオ波照射装置
  • 眼科顕微鏡
  • 機器の定期点検、トラブル時の対応
  • 鏡視下手術時のカメラ操作・保持業務(※)

  

血管撮影室業務

血管造影室では冠動脈疾患の検査や治療、不整脈、血管内治療の際に医師・看護師をはじめ多職種と連携して業務を行っています。
タスク・シフト/シェア(※)についても取り組みを行っています。

  • 心カテ時の物品展開、記録
  • IVUS(血管内超音波)
  • 冠動脈血流量評価(FFR、iFR)
  •  補助循環装置(IABP、PCPS)
  •  ペースメーカ等の植込みデバイス業務
  •  アブレーション業務(ポリグラフ操作)
  •  ステントグラフト内挿術の直接介助(※)

  

救急・ICU業務・高気圧酸素治療業務

院内でも特に高度な医療機器を使用している部署になり、生命維持管理装置のセッティング、操作、使用中の点検等を行っています。
緊急時の対応が求められる分野であり、常に迅速な対応ができるように心掛けています。

  • 急性血液浄化
  •  特殊血液浄化
  •  人工呼吸器
  •  補助循環装置(IABP、PCPS)
  •  高気圧酸素治療
  •  低体温療法 等

  

病棟・外来・在宅医療機器・遠隔モニタリング業務

生命維持管理装置が適正に使用されているかのラウンドチェックを毎日行っています。また最近では患者さんが自宅に居ながら、使用している医療機器が適切に動作しているかを病院でモニタリングできるようなシステムがあり、それらのチェックを行っています。その他にも在宅で使用する酸素療法、輸液ポンプ、ペースメーカ等の植え込み型デバイスの患者説明、指導も実施しています。

  • 生命維持管理装置の使用中点検
  •  病棟心電図モニタラウンドチェック
  •  ペースメーカチェック
  •  ペースメーカ遠隔モニタリング
  •  在宅CPAP 遠隔モニタリング
  •  在宅酸素療法、在宅栄養療法説明
  •  脳深部刺激装置チェック
  •  超音波骨折治療器導入説明 等

  

医療機器管理業務

医療機器を中央管理し、原則として1 患者1 使用につき医療機器管理室へ返却をしてもらい、清掃、機器に合わせた点検を実施した後に貸し出しを行っています。これ以外にも機器に合わせた間隔で点検を実施しています。管理を行っている院内の医療機器は機器管理システムに登録しており、登録台数は2,400 台を超えています。

  • 人工呼吸器
  •  輸液ポンプ
  •  シリンジポンプ
  •  下肢加圧装置
  •  低圧持続吸引器
  •  エアーマット
  •  保育器 等

これらの機器は貸出し返却をシステムで行うことで、どこの部署で使用されているかを把握することが可能となっています。院内には様々な医療機器がありますが、いつどのような場面でもその性能を発揮できるように日頃から管理・保守点検をしておくことが重要だと考えています。また、特に生命維持管理装置の使用中には適正に使用されているかの点検を行うこと、使用後には次回の使用の際に問題なく使用ができるように管理することを心掛けています。

  

資格等

呼吸治療関連専門臨床工学技士     1 名
認定医療機器管理関連臨床工学技士   1 名
認定集中治療医療関連臨床工学技士   3 名
認定臨床実習指導者          1 名
3 学会合同呼吸療法認定士       7 名
体外循環技術認定士          3 名
透析技術認定士            2 名
臨床高気圧酸素治療装置操作技師    3 名
心血管インターベンション技師(ITE)  2 名
植込み型心臓デバイス認定士      2 名
医療機器情報コミュニケータ(MDIC)  1 名
心電図検定2 級            2 名
心電図検定3 級            3 名
⾧野県DMAT 隊員          1 名
⾧野県臨床工学技士会理事       2 名
⾧野県臨床工学技士会Y-ボード委員  1名