放射線治療科

放射線治療科のご案内

 放射線治療部門にはリニアックと腔内照射装置(RALS)、治療計画用CT(16列MD-CT)、3D治療計画装置等を装備しています。リニアックとCT、治療計画装置は平成18年3月に、腔内照射装置も平成21年3月に更新しております。

 リニアックの外照射では治療計画用CTによる3D治療計画から照射野形状の自由度の高いマルチリーフコリメータを用いて、標的に線量を集中し、周辺臓器への線量を最少にすることを目指しております。

 腔内照射装置はコバルトの密封線源を遠隔操作で病巣に挿入し局所に高線量を照射するものです。婦人科疾患以外にも早期の食道癌、肺癌、胆道癌などが適応になります。

 当院では診療科合同のカンファレンスが多く、個々の症例についてより良い治療ができるように努めております。放射線治療の面からも最善な治療を提供したいと考えております。

 

年度あたりの治療患者数(新患)の推移
平成6-10年度 平成11-15年度 平成16-20年度 平成21-23年度
122 名 177 名 238 名 305 名

 

 また,2009年12月より癌の骨転移による疼痛緩和治療の一つとしてストロンチウム89治療を開始しました。ストロンチウムはカルシウムの同属元素のため、造骨性転移の患者さんの骨病変部に取り込まれます。そして飛程が数ミリしかないβ線を放出することを利用して病巣に集中した放射線照射(通常の体外照射と区別して内照射と呼ばれます)を行い、疼痛緩和効果を得る治療法です。

【効果効能】
 固形癌患者における骨シンチグラフィーで陽性像を呈する骨転移患者の疼痛緩和
(リンパ腫、白血病、多発性骨髄腫などの血液疾患は含まれません)
【禁忌】
 (1)重篤な骨髄抑制のある患者
 (2)妊婦または妊娠の可能性のある患者
【選択基準】(すべてを満たすこと)
 (1)組織学的、細胞学的に固形癌が確認されている
 (2)骨シンチグラフィーで多発性骨転移が確認されている
 (3)骨シンチグラフィーの取り込み部位と一致する多発性の疼痛部位を有する
 (4)非ステロイド性抗炎症薬やオピオイドで疼痛コントロールが不十分
 (5)余命が1ヶ月以上期待できる
 (6)血小板≧75000、白血球≧3000(好中球≧1500)、ヘモグロビン≧9.0
【除外基準】
 ・余命が非常に短い(1ヶ月以下)
 ・DICまたは急激な血小板減少
 ・骨折や脊髄圧迫など骨転移以外の要因による骨性疼痛
 ・重篤な腎障害(NCI共通毒性基準グレード3-4)

 

 投与は静注で行い、放射線管理基準以下の投与量のため隔離入院も不要で、患者さんはそのまま帰宅できます。副作用としては血小板減少14.4%、白血球減少13.3%、貧血8.9%、ほてり8.9%、骨痛(一時的な疼痛増強)7.8%などがあり,特に骨髄抑制に注意が必要です。また、転移部に吸収されなかったストロンチウムは尿中に排泄されますので周辺への無用の被曝を避けるために投与後1週間ほどはおむつ、導尿カテーテルなどの取り扱いに注意が必要です。

 効果は1-2週後から現われ、疼痛の軽減と必要な鎮痛薬の減少を合わせた治療反応率は第?相臨床試験で32/69でした。

 適応の判定に際しては当院緩和ケアチームと共同して行っております。適応が考えられる患者さんがありましたら放射線科にご紹介いただければ検討を行いたいと思います。

担当医師のご紹介