脳神経外科・脳血管内治療科

脳神経外科のご案内

脳神経外科は、一般的に脳・脊髄の疾患を治療する科です。当院は救命救急センターとなっており、先にあげた疾患の中でも、「くも膜下出血」、「脳出血」、「脳梗塞」など脳卒中といわれる脳血管や頭部外傷など、緊急性の高い患者さんを24時間体制で受け入れています。

2013年度からは、新たに脳血管内治療医も加わり3人体制で診療を行っています。対象になる患者さんも増えて、手術件数も増加傾向ですが、治療器具も技術の進歩に合わせて充実させています。診断用機器については、CTとMRIが2台ずつあり緊急性の高い患者さんに対しては24時間撮影が可能です。その他に、悪性腫瘍の発見に有用なPET-CTや脳血流の測定ができるSPECTがあります。血管内治療科の開設にあたり、新たに脳血管撮影装置も増設され、診断と血管内治療に役立っています。治療用機器では、機能として術野内を病変まで確実に誘導してくれるナビゲーションシステム、術中の神経の温存に役立つ運動誘発電位(MEP)、蛍光物質を用いて血流を確認できるICGモニターといった新しい機能が付いた顕微鏡に更新し、より低侵襲で安全な手術が行えるようになりました。脳血管撮影装置についても、脳血管内治療が行いやすい最新のものに更新され、被ばく線量も抑えられて低侵襲の治療が可能になっています(脳血管内治療についての詳細は下記を参考にしてください)。

また当院はがん拠点病院にも指定されており、脳腫瘍の治療も積極的に行っております。良性の腫瘍については手術を中心に治療を行いますが、悪性腫瘍については手術後の放射線治療、化学療法を放射線科、病理診断科と検討しながら集学的な治療を行っております。

このように脳神経外科では、主に脳疾患に対する外科的治療を中心に診療を行っておりますが、上に挙げた疾患のすべてを手術で治療をする訳ではありません。保存的治療(経過を見たり薬で治療する方法)と外科的治療(直達手術や血管内治療などの侵襲を伴う方法)のどちらの治療が患者さんにとって良いか、そして外科的治療が必要なら直接頭部を切る直達手術が良いのか、カテーテルで治療する血管内治療が良いのかを検討しながら治療をしています。医療サイドで手術適応を吟味しながら治療方針を決めていくのは当然ですが、加えてご本人やご家族の希望などを充分に考慮して治療方針を提案し、同意の上で、全力を尽くして治療を進めていくことを信念にしています。すべての病気が未だ原因治療ともに解明されたとは言えません。脳についてはまだまだわからないことが多い分野ですが、この地域の皆様に、標準的な治療を、標準レベル以上の医療を提供できるよう日々研鑽努力をしています。

当院で扱っている主な対象疾患と治療法

  • 脳血管障害
    1 くも膜下出血(脳動脈瘤、脳動静脈奇形):脳動脈瘤クリッピング術、血管内治療による塞栓術
    2 脳梗塞:
    (急性期)超急性期血栓溶解療法(t-PA)、血管内治療による血栓回収術
    (慢性期)血管吻合術、内頚動脈内膜剥離術、頸部内頚動脈ステント留置術
    3 脳出血:ナビゲーションを用いた顕微鏡下血腫除去術
    上記のように脳卒中を起こしてからの治療のほか、脳ドックなどで発見された未破裂脳動脈瘤や血栓狭窄に対する予防的な治療も行っております
  • 頭部外傷
    急性、慢性硬膜下血腫:開頭血腫除去術、穿頭血腫除去術
    急性硬膜外血腫:開頭血腫除去術
  • 脳腫瘍:脳腫瘍摘出術、放射線療法、化学療法、良性腫瘍、悪性腫瘍
  • 水頭症:脳室腹腔短絡術
  • 顔面痙攣、三叉神経痛:神経血管減荷術
  • その他


脳血管内治療科のご案内

脳血管内治療とは、脳の病気に対して、皮膚を切ったり頭蓋骨を割ったりすることなく、血管の中からアプローチする新しい手術法です。もともと脳血管撮影という、脳の血管をカテーテルと造影剤を使って撮影する検査から発展した手術法です。全身の血管は大動脈を介してすべて繋がっているため、足の付け根や肘の内側の血管など、体の表面近くを通る太い血管からカテーテルを挿入し、大動脈を通じて脳の血管まで進める事が出来ます。手術の際は検査用のカテーテルの中に、さらに細いカテーテルを入れ、病気のある部位(首や頭の中の血管)まで進めていき、様々な道具や薬品を用いて病気を治療します。

手術法は、通常最初に足の付け根か、肘の内側の動脈にシースと言われる短いチューブを入れ、その中を通してガイドカテーテルと呼ばれる直径3mm程度のチューブを首の動脈まで誘導します。さらにガイドカテーテルの中にマイクロカテーテルと言われる1mm強の非常に細いチューブを通して脳の病変部に到達させ、金属コイル等を挿入して病変部を閉塞させます。血管を拡張させる場合は、マイクロカテーテルの代わりに、拡張用の風船の付いたカテーテルや、ステントと言われる金属製の筒を病変に通して血管を拡げます。

この治療法の利点は、一般的な開頭術による外科手術に比べ、患者さんに加わる侵襲が極端に少ないこと、開頭手術での治療が困難な脳の中心部分でも、周辺の脳への影響を与えずに到達が可能であること、総じて入院期間が短いことなどです。また全身麻酔で行われることも多いですが、局所麻酔でも可能であり、麻酔をかける事が危険な高齢者や、心臓や肺の悪い人などには非常に有用な方法です。

脳血管内治療は、2013年4月より、飯田市立病院脳神経外科にて信州大学医学部附属病院脳血管内治療センターと連携して治療を開始しております。

担当医師のご紹介

一般社団法人National Clinical Database (NCD)の手術・治療情報データベース事業への参加について

当科は、一般社団法人National Clinical Database(NCD)が実施するデータベース事業に参加しています。
この事業は、日本全国の手術・治療情報を登録し、集計・分析することで医療の質の向上に役立て、患者さまに最善の医療を提供することを目指すプロジェクトです。
この法人における事業を通じて、患者さまにより適切な医療を提供するための医師の適正配置が検討できるだけでなく、当科が患者さまに最善の医療を提供するための参考となる情報を得ることができます。何卒趣旨をご理解の上、ご協力を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。

1 NCD に登録する情報の内容
2015 年1 月1 日以降、当科で行われた手術と治療に関する情報、手術や治療の効果やリスクを検証するための情報(年齢や身長、体重など)を登録します。NCD に患者さまのお名前を登録することはなく、氏名とは関係のないID を用いて登録します。ID と患者さまを結びつける対応表は当科で厳重に管理し、NCD には提供しません。

2 登録する情報の管理・結果の公表
登録する情報は、それ自体で患者さま個⼈を容易に特定することはできないものですが、患者さまに関わる重要な情報ですので厳重に管理いたします。
当科及びNCD では登録する情報の管理にあたって、情報の取り扱いや安全管理に関する法令や取り決め(「個人情報保護法」、「疫学研究の倫理指針」、「臨床研究の倫理指針」、「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」等)を遵守しています。
データの公表にあたっては、NCDが承認した情報のみが集計データとして公表されます。登録するデータがどなたのものであるか特定されることはありません。

3 登録の拒否や登録情報の確認
データを登録されたくない場合は、登録を拒否していただくことができます。当科のスタッフにお伝えください。
また、登録されたご自身のデータの閲覧や削除を希望される場合も、当科のスタッフにお知らせください。なお、登録を拒否されたり、閲覧・修正を希望されたりすることで、日常の診療等において患者さまが不利益を被ることは一切ございません。

4 NCD 担当者の訪問による登録データ確認への協力
当科からNCD へ登録した情報が正しいかどうかを確認するため、NCD の担当者が患者さまのカルテや診療記録を閲覧することがあります。
当科がこの調査に協力する際は、NCD の担当者と守秘義務に関する取り決めを結び、患者さまとID の対応表や氏名など患者さまを特定する情報を院外へ持ち出したり、口外したりすることは禁じます。

本事業への参加に関してご質問がある場合は、当科のスタッフにお伝えください。また、より詳細な情報は下記に掲載されていますので、そちらもご覧ください。

一般社団法人National Clinical Database(NCD)ホームページ
URL: http://www.ncd.or.jp/