院長挨拶

「誠意、熱意、創意」の心で地域の皆様に質の高い医療を提供します

インフルエンザなどの感染症流行期は、患者さんの安全を守るために入館の際は手指消毒やマスクの着用にご協力をお願いします。

 

制限のない社会生活が4年ぶりに戻ってまいりました。制限のないことがどれほど素晴らしい事か改めて感じています。しかしこのコロナ禍の間に日本、特に地方では予測を上回るスピ―ドで少子化・高齢化がすすみ、地域社会が縮小して生活や地域の産業を維持することに支障をきたし始めたところもあります。持続可能な地域社会をつくるため、医療や福祉に対しては地域包括ケアシステムの実現と働き方改革、医師の偏在対策や労働力不足の解消が課せられています。このような状況のなかで飯田下伊那地域の地域医療支援病院として当院は以下の点について対応する必要があります。

まず働き方改革です。病院に勤務する医師は長時間労働を行うことが多い傾向が見られ、4月から実施される「医師の時間外労働規制」に沿った勤務形態にかえることが必要です。さらに看護師、薬剤師をはじめすべての職種でも時間外勤務の増加や労働力不足が顕在化していますから、必要な人員の確保につとめ、ICT活用、タスクシフトやタスクシェア、チーム医療を進め改善に努めなければなりません。また病院外においては、病院群輪番体制の充実、急性期病院と回復期や慢性期の病院が地域全体で連携を取り、患者さんの病状に応じて適切な医療が提供できる仕組みを構築する必要があります。

次にかかりつけ医と紹介受診重点医療機関の役割分担の強化です。飯田市立病院はかかりつけ医から紹介された方の診療を中心に行い、治療後にはかかりつけ医に逆紹介して戻っていただく紹介受診重点医療機関の指定を受けました。気軽にご紹介いただけて、治療が終わった患者さんは逆紹介によって再びかかりつけ医で治療を継続していただく、かかりつけ医との「二人の主治医」の関係を築いていきます。

そしてDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進です。運用開始14年目になります情報連携ツールのism-Link(飯田下伊那診療情報連携システム)は医療・介護・福祉の連携に更に進化活用されていますし、今年は「マイナ保険証」の使用が始まります。マイナンバーカードは将来多くの機能を付与されて医療の現場になくてはならないものとなる可能性を示し、人からから機械へのタスクシフトや労働力不足を補う決め手にもなると考えています。

今年もきめ細かな看護やサービスの向上を心がけて、かかってよかった病院、働いてよかった病院、地域にあってよかった病院であり続けたいと思います。

                      


飯田市立病院長 堀米 直人

令和6年1月
飯田市立病院 院長 堀米直人